【遺産分割の問題】
①借金(債務)については,共同相続人の遺産分割協議で
「特定の相続人のみ」が支払者になると決めても,
債権者(貸付人)には,通用しません。
(例)
亡くなった父の事業用ローンにつき,事業の跡継ぎである長男のみが,
事業用ローンを支払うことに決めても,銀行には通用しません。
共同相続人全員は,法定相続分にしたがって支払う義務があります。
②遺言がない場合,遺産分割には,共同相続人全員の遺産分割協議が必要です。
行方不明者,認知症などで判断能力がない者は遺産分割協議に参加できません。
このような場合,家庭裁判所の手続きが必要になってしまいます。
遺言があれば,家庭裁判所の手続は不要になります。
③遺産分割協議のやり直しは,原則としてできません。
(例)
母と同居する長男が,母の世話を条件に遺産を多く取得したが,
約束を破って母の世話を放棄したとしても,
遺産分割協議を解除することはできません。
遺産分割協議は,慎重にしましょう。
④過大な債務(借金)があるときは,相続放棄をしましょう。
債務は,共同相続人全員が,法定相続分にしたがって支払う義務があります。
「私は,遺産分割の際に財産を一切もらっていない」という主張は,
債権者に対しては,一切通用しません。
財産をもらわないのであれば,家庭裁判所に相続放棄の申し立てをしましょう。
相続放棄の申立ては,原則として被相続人の死亡を知ってから,
3ヵ月以内にする必要があります。